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Beer Driven Developer / Lean Engineerの徒然

イベント「~エンジニア×先生×NPOで語る、これが本当のプログラミング教育~みんなのコードmeetup」に参加してきました

2018/09/27(木)に行われたイベント「~エンジニア×先生×NPOで語る、これが本当のプログラミング教育~みんなのコードmeetup」にブログ投稿枠で参加してきました!

私はプログラミング教育には関心が高いのですが、どちらかというと現状は社会人向けの方に現状はコミットしています。

TechAcademy [テックアカデミー]という社会人向けのプログラミングスクールでwebアプリケーションコース(Ruby on Rails)の講師(メンター)をやっていたりします。

が、過去、小学校の教員免許状も取得したこともあり、学校教育におけるプログラミング教育にも将来的には関わっていきたいなと思っています。

NPO法人のみんなのコードは、本業のリブセンスでのご縁もあり、以前から知っていましたが、今回のイベントに知人のFacebookエンジニアである安藤さんもパネラーとして参加されるというので、同日行われていたMeguro.rbの参加を見送って、このイベントに参加することにしました。

小学校プログラミング教育最前線のお話 by NPO法人みんなのコード代表 利根川 裕太

最初にアイスブレイクで2人1組になってトランプ5枚のカードを大きい順に並べ替えるゲームで和みました。 ソートアルゴリズムを特にIT機器を通さずに体験するゲームということで、広く言えばこういうものも、プログラミング教育の一環とも言えるのではないかと思いました。

その後、利根川さんからみんなのコードが目指す世界についてアナウンスがありました。 一応紹介しておくと、NPO法人みんなのコードは、プログラミングを教える人を教える活動を行っています。 つまり、教員の方を中心にプログラミング教育の教え方を教えるような感じです。

ご高齢ながらプログラミングを独学で習得して一躍有名人となった若宮正子さんなどのストーリーを通して、コンピュータを用いて何らかの課題解決をしている事例を紹介されていたのが印象的でした。

私が話を聞きながら疑問に感じたポイントは、プログラミング教育以前に、学校のような比較的伝統ある古い組織において、ITを導入することでより効率的に物事を進めたり、人とつながったりなど、ITの恩恵を受ける体験に実は乏しく、ITが持つ力の大きさみたいなものを教員が実感する必要があるのでは?ということでした。

実際にそのような趣旨で質問してみたところ、プログラミング教育がきっかけになって、学校側のITリテラシーがあがる、という事例も実際に出てきているそうです。

エンジニア×先生×NPOのパネルディスカッション

後半からは、以下のパネラーの方々の簡単な自己紹介の後、プログラミング教育に関するパネルディスカッションが行われました。

パネラーの方々

  • エンジニア:FacebookエンジニアのAndo氏
    • 中学校の社会の教員採用試験も受けた経験あり。
    • デジタルハリウッドでの講師経験あり。
  • 先生:千葉大学教育学部附属小学校 教諭/ICT活用教育部 主任 小池 翔太氏
    • 5年目の小学校教員。
    • IBM×国立天文台「位置天文学×エンジニア」などのプログラミング教育事例の紹介。
  • NPO法人みんなのコードCTO:田中高明氏
    • 元世界史の教師からエンジニアに転向。
  • NPO法人みんなのコード主任講師:福田晴一氏
    • 和田中学校藤原さん(民間出身の元校長先生)と一緒にやっていた元先生。
    • 余談ですが私は藤原さんが提唱されているトライセクター・リーダーって考え方に共感してます。簡単にいえば、3つの全く違うそれぞれの分野で100人に1人の人材になり、それを3つ掛け合わせると100万人に1人の人材になれる、というキャリアみたいな感じ。

パネルディスカッション詳細

詳細と見出しには書きましたけど、ここからは議論が面白くて前のめりに聞くのが中心だったのであまり網羅的にメモできていませんが、個人的に印象に残った議論とその所感を中心に書き起こしておきます。

実際の教育現場がどうなのか?by福田氏

福田さんは元先生で、現在はみんなのコードで全国を飛び回って、先生のためのプログラミング教育について研修をされているそうです。いわゆる「プログラミング指導教員養成塾」的なものをされています。

福田さん曰く、全国を回った所感として、「3つの格差」について話をされていたのが印象的でした。

  • 自治体の格差
  • インフラの格差
  • 教員の格差

教育に関して、地方は東京から3年くらい遅れて広まっていくところがあり、「公教育の犯罪」とまで言及されていました。

以前からも流行り廃りみたいなものは、東京から広まっていくのはあったと思いますけど、単なる流行はSNSなどインターネットが普及する昨今では、地方に広まっていくのもかなりのスピード感あるなぁという印象があります。恐らく、インターネットの恩恵を享受しにくいサービスみたいなものは、やはり東京一極集中というのはある気がします。

学校の先生方にプログラミング教育の必要性を訴えるには、求められる背景の理論武装が必要だけど、一度理解してもらえればちゃんと堅実に推進してくれるという話は印象的でしたね。確かに教育の現場って理屈っぽい先生方多かった印象ありますね。理屈っぽいという意味では、エンジニアも同類項ですがw

学級経営にも生きるプログラミング教育by小池氏

プログラミングで求められる自発性みたいなものがあり、たとえば、アイルランドから始まったCoderDojoでは、あまりトップダウン的なアプローチで何かを強制的にさせることは行いません。あくまでも子どもたちの自主性にまかせてやることを決めるので、一人ひとりの個性が大切にされます。

同じような流れで、一度プログラミング教育を経験した子どもたちが、プログラミング教育以外の分野でも、ボトムアップ的なアプローチで色々と試行錯誤し出す、ということがあり、これは大きなメリットの1つであると小池さんが言ってました。

本来、「教育とは子どもたちの個性に合わせてある」というのが持論ですが、どこかで横並びの画一性みたいなものが管理上求められる部分もあるので、この矛盾とどう戦って行くのかが重要なのかなぁと個人的には思いました。子どもたちに合わせるなら、個人指導みたいなのがベストだけど、現状の公教育は集団授業前提なので、なかなか子どもたちそれぞれに合わせていられない部分はあると思います。

プログラミング教育のデメリットは?by安藤氏

公教育にはほぼすべての大人が子どもの頃に経験したもので評価してしまうけど、実は最新の公教育がどうなっているのか?とい実態を把握している人はそう多くないです。だからこそ、安藤さんはプログラミング教育についても「知ったかぶりする人が多い印象」という表現をされていたのが印象的でした。

安藤さんは前述のCoderDojoでも子どもたちに教えた経験があります。教育の現場として、「IE(ブラウザ)を開くのに15分かかる」「キーボードで入力すると急激にハードルがあがる。”こんにちは”と入力するのに1分かかったり」と事例はなるほどなぁという感じでした。個人的にはいい加減、キーボードに変わるより直感的な入力デバイスが必要な気がしていますが。誰かベンチャーでやらないかなw現状だと音声入力の精度がかなり向上している感ありますが、どうもプログラミングの入力となると記号などが多いので難しそう。音声入力専用のプログラミング言語とか作れば良いのかしら。

話がそれました。

いずれにしても、公教育におけるプログラミング教育は、そのハードルをかなり下げる必要があるという主張は共感できました。確かに、野球やサッカーの競技人口の裾野は広がっていますが、だからといってみんながプロの選手になる訳ではないです。プログラミングも同様で、職業エンジニアに求められるハードルと混同してはいけないと思います。

「議論のすれ違いー」

このように安藤さんは表現していましたが、私もまったく同感で、ポジショントークによるものが大きい気がしています。産業界ではいわゆるホワイトカラーの仕事が増えていて、かけた時間と成果が一致しない類の質が求められるようになってきています。この流れの中で、プログラミング的思考が求められることが少なくありません。それでなんとなく一斉に「これからはプログラミング教育の時代だー!」みたいな温度感高めの人たちが一定増えているのが現状かなとも思います。

この話を書いていて思い出したのが、サイバーエージェント系列のCA Tech KidsとCA藤田さんとの対談のこの記事です。この記事の後半に出てくるのですが、プロ野球と同じように、高校生向けのドラフト会議のエンジニア版をやるというのが興味深いなぁということです。こんな感じで、エンジニアとしてのエリート教育もあって良いと思います。大事なのはダイバーシティですね。野球でもサッカーでも、だいたい日本代表レベルで活躍する人って、地域のリトルリーグとかそういうのやってましたよね。ガチ勢は意外と学校の部活とかやんない感じでした。そんなノリでプログラミング教育も浸透すると良いのかなぁと思います。

プログルの紹介by田中氏

公教育におけるプログラミング教育のハードルを下げる取り組みとしてみんなのコードとして取り組んでいるのが、プログルです。これはプログラミング教育における定番Scratchっぽいものですね。

イベント当日は、自治体別アクセスランキングなどを見せてもらいましたが、全国からアクセスされて使われていました。

Scratchもそうですが、これ系のやつって子どもたちにやらせるとみんな総じて「楽しかったー!またやりたい!」ってほぼなるんですよね。この満足度はやりがいあって良いなと。うがった見方ばかりしかできない大人にはならないように気をつけましょう(違)

プログラミング教育に対する私見

既に所感もあわせて記述したのでその通りですがw

やはりどの目線で話をするのか、というのが一番大きいですね。やはりプロのエンジニアになるためのプログラミング教育と、プログラミング的思考を養ったり、プログラミング教育の出会いの場を提供するという公教育では役割が違って当然です。2020年小学校教育でプログラミング教育が必修化されるとか、センター試験で科目化されるとかの時代の流れもあって、このあたりの棲み分けが現状カオスになっている印象はあります。

まぁ何事も活動が広まっていくプロセスにはカオス期というのは避けて通れないので、あと5-10年くらいかけてもっと洗練されていくのかなぁと思います。公教育の体育の授業でソフトボールや野球をやるのと、リトルリーグに所属した人がプロ野球選手になるプロセスに文句いう人がいないようにプログラミング教育が自然になっていく時代がやってくるのは間違いないでしょう。

私はエンジニアなので、日本が少子高齢社会の中で高い生産性を保ってより高い価値ある仕事を創造していくには、プログラミング教育は何かしら必須であると考えているので、そのうち時代がやってくるさ♪という傍観者ではなくて、何かしらプログラミング教育へのコミットメントを増やしていきたいです。

頑張ります!